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生徒さんとの思い出
熊谷ピアノ教室_生徒さんとの思い出

生徒さんとの思い出

◇サンタクロースが来ない?

12月のある日、4歳の男の子でした。

レッスンを始めると突然、目に涙を浮かべ「ボクの家には、サンタさんが来ないんだ。」と言いました。理由を聞くと、前回のレッスンで「毎日、ピアノを練習する約束を先生としたのに、破ったから……。」と話します。約束を守れない子どもの家には、サンタクロースが来ないと言うのです。

私は、「また練習すれば、きっとサンタさんは来るよ!」と励ましました。

翌週のレッスンでは、「ボク、練習したからクリスマスにサンタさん来たよ!」と、目をキラキラさせながら嬉しそうに話してくれました。

モミジのような小さな手をいっぱいに広げてピアノを弾く姿に、思わずその手をギュッと握りしめてしまいました。

◇白衣の天使が奏でる音楽!

私が大学在学中に、看護学校に通う女性がいました。

幼い頃からピアノを習い、上京してからも「やっぱり、ピアノを弾きたい!」という思いで、私のレッスンを受けることになりました。腕前はなかなかのモノ!学校の勉強や実習と忙しい中、本当によく練習し、レッスンに臨んでいました。

「どこで練習しているの?」と聞くと、学生寮の廊下の片隅にある壊れかけたオルガンで、空いた時間をみては練習をしていたと話します。

その話を聞いて、私と同じ年で頑張る彼女の姿に、とても感銘を受けました。そして、彼女は看護学校を卒業と同時に、私のレッスンも卒業しました。

あれから月日が流れ、彼女はきっとどこかで、立派な白衣の天使となって活躍していることでしょう。

◇あの小さな女の子が学校の先生に!

ある小学校のパンフレットを開くと、見覚えのある女性が教壇に立つ写真が掲載されていました。まさしく、私が大学在学中にピアノを指導していた女性でした。

あの頃は、まだ幼稚園に通う小さな女の子。面倒見が良くしっかり者で、いつも二人の幼い弟を連れてレッスンに通っていました。

しかし、私が就職するため、同じくピアノ講師を務める私の妹に生徒さんを託し、それ以来、その女の子の姿を見かけることはありませんでした。

家でのピアノの練習が苦手な生徒さんでしたが、今では立派な先生です。

彼女のイキイキとした笑顔を見て、私は彼女の夢の実現に一役かえたことをとても嬉しく思いました。

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